過去の不倫相手に離婚慰謝料を請求できず

過去の不倫相手に離婚慰謝料原則請求できずPast Affair Compensation

過去の不倫相手に離婚慰謝料原則請求できず 最高裁が初判断

不貞行為は民法に反する不法行為に該当するので、一定の条件を満たせば配偶者と浮気相手の両方に慰謝料の請求ができます。
不貞行為は配偶者と浮気相手の2人が共同で行った不法行為であり、両者に責任があるので慰謝料も両者に支払い義務が発生するからです。
また、不貞行為が原因で離婚に至った場合には、「不貞行為の慰謝料」とは別に「不貞行為が原因で離婚に至ったことに対する慰謝料」を求める場合があります。
しかし、今回の最高裁の判決では、不貞行為が原因で離婚に至ったことに対する慰謝料は認めない結論が出されました。
裁判の判決は、さまざまな状況を総合的に判断するので、今後は不貞行為が原因で離婚に至ったことに対する慰謝料が一切認められない訳ではありません。しかし、今後の判決の一つの基準となる判決です。
過去の不倫相手に離婚慰謝料の請求は認められない判決に関する記事が、産経デジタルizaに掲載されていますたので紹介します。

元配偶者の過去の不倫相手に、離婚時の精神的苦痛に対する慰謝料を請求できるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(宮崎裕子裁判長)は19日、夫婦間に不当な干渉をするなど特段の事情がない限り、請求することはできないとの初判断を示した。
元妻の不倫相手に198万円の賠償を命じた2審判決を破棄し、原告男性側の請求を棄却。原告側の敗訴が確定した。

判例などによると、不倫された側は、配偶者に離婚慰謝料を請求できるほか、不倫相手に対しては離婚の成否に関わらず不倫そのものの慰謝料を請求できる。今回は不倫慰謝料の請求権が時効(3年)で消滅していたため、時効が成立していない離婚慰謝料を請求できるかが争われた。
離婚慰謝料を不倫相手などの第三者に請求できるかどうかの判例はなく、最高裁の判断が注目されていた。

判決によると、原告の男性は平成22年5月に元妻の不倫を知り、27年2月に離婚。男性は同11月に提訴した。
1審水戸地裁龍ケ崎支部判決は、離婚と不倫の因果関係を認め、離婚慰謝料を請求できると判断。2審東京高裁も支持した。

第3小法廷は「不倫が原因で離婚に至ったとしても、ただちに第三者の不倫相手がそれを理由に責任を負うことはない」と判示。責任を負うのは「夫婦の離婚を意図して不当な干渉をするなど特段の事情がある場合に限られる」とし、今回は特段の事情があったとはいえないと判断した。

出典:産経デジタルiza https://www.iza.ne.jp/
2019年02月19日 配信記事

不貞行為の慰謝料は請求できるが離婚の慰謝料は請求できない

裁判は事実と法律に基づき適正な結論を出す場所であり、事実が同じであれば判決も同じでなければ矛盾が生じます。
そのため、裁判では過去の判決に縛られ同類の判決が大きな意味を持ちます。このように、以前に判決に拘束されることを「前例主義」と呼んでいます。
今回の判決を聞いて「浮気相手への慰謝料はできない」と思った方も居るかもしれませんが、実際にはそのような判決ではありません。
今回の最高裁判決を少し整理して見ていきましょう。

今回の裁判で認めなかった慰謝料は、「浮気に対する慰謝料」ではなく「浮気が原因で離婚に至ったことに対する慰謝料」です。
つまり、浮気が原因で離婚に至ったとしても、離婚に対する慰謝料は認めない判決です。
婚姻関係にある夫婦には貞操義務があるので、浮気を行った配偶者に対しては慰謝料が請求できます。また、浮気相手が配偶者を既婚者と知っていながら浮気を行っていれば、浮気相手も共同して不法行為を行った訳で慰謝料が請求できます。
ただし、その浮気が原因で離婚に至った場合でも、浮気相手には離婚に対する慰謝料は請求できない判決です。

今回の判決では「責任を負うのは夫婦の離婚を意図して不当な干渉をするなど特段の事情がある場合に限られる」と述べています。つまり、離婚を意図した干渉があったときには、慰謝料の請求ができると考えられます。
離婚を意図した不当な干渉がどのような内容なのかは示されていませんが、浮気相手が配偶者と結婚を望んでおり夫婦関係を壊そうと考えていえば、離婚を意図した干渉にあたると判断されるかもしれません。

一般的に浮気相手への慰謝料請求は不貞行為に対して行うので、今まで通り浮気相手への慰謝料請求はできます。今回の裁判は、浮気が行われた時期が3年以上前であり時効が成立しており慰謝料の請求ができないので、時効が成立していない離婚に対する慰謝料を請求した裁判です。
配偶者が浮気をしていても直ぐに離婚を決意する人は少なく、まずは夫婦関係の再構築を目指す人が多いです。そのため、浮気が原因で離婚に至ったとしても、離婚が成立するまでにはある程度の時間が経過してしまいます。
また、配偶者は浮気相手を庇うケースが多く、浮気相手に慰謝料請求を行うと夫婦関係の再構築が難しくなってしまいます。そのため、離婚が決まるまで浮気相手への慰謝料請求をしない人もおり、浮気に対する慰謝料請求が時効でできないケースがでてきます。
浮気が原因で夫婦関係が壊れ離婚に至っても、不貞行為の時効が成立する3年以内でなければ浮気相手への慰謝料請求は難しいようです。

配偶者が浮気をしていても、浮気関係の解消を条件に夫婦関係の再構築を目指す方は少なくありません。
しかし、夫婦関係が再構築できるとは限らず、離婚に至ったときに慰謝料を請求したいと思う方もいます。
夫婦関係の再構築を目指す方でも、離婚という結論に至ったときの保険として浮気の証拠を準備しておきましょう。また、夫婦関係の再構築を目指す場合でも、時効である3年以内に結論を出せば慰謝料が請求できます。
離婚が避けられない状況になったときに、3年以内であれば配偶者や浮気相手に慰謝料を請求できる可能性がります。

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